「ラクガキで世界を変えたい」と言ったらあなたは私を笑うかな?~「1万円起業」の著者クリス・ギレボーさんに会ってきたお話
今年に入ってから「ハッピーラクガキライフ|人生をたのしくするラクガキ力講座」というイベントを主催しています。
きっかけはほんのちょっとした知人の一言
「『絵が誰にでも描ける』って言うなら、それを教えてよ」
軽い気持ちで引き受けたものの、そこから始まった「なぜやるのか?」という自問の日々。
結果辿り着いたのは「ラクガキで世界を変えたい」という冗談みたいな思い。
今はかなり本気でそう考えているのです。おかしいですかね?
さて、クリス・ギレボーという名前を知ったのは、Lifehacking.jpの堀さんが毎週日曜日にハングアウトで配信している「Lifehackライブショウ」という番組の中でした。
プロブロガー、トラベラー、ライターという人物。
時折話題に出てくるその名前、そして夏になるとその堀さんがアメリカまで出かけて行って参加している「World Domination Summit」というイベント。
「World Domination」つまり「世界征服」を冠したこのイベントについて、堀さんは「いやー、一晩中踊っていたんですよ」と興奮気味に語るのを聞いて「この人、大丈夫かな…」と思っていたのはナイショ(笑)
そんなクリス・ギレボーさんの著書「1万円起業 片手間で始めてじゅうぶんな収入を稼ぐ方法」を買ったのは本当になんとなく、でした。
本屋で見かけた「ベストセラー!」のポップ、著者名を聞いたことがある、そして刺激的なそのタイトル(「$100 Startup」の直訳なのですが、これがなかなか難しいってお話は後述)という感じでとりあえず購入。
まあ、往々にして「なんとなく買った」なんていう本は積まれてしまうわけです。
事実そこから1、2か月ほど、まったく手を付けないままでした。
読んだきっかけは「人にラクガキを教えよう」と思って少ししてからでした。
何度かの自問の後、うっすらと自分の思いが見えてきたタイミング。
イベント主催はある意味で起業だと感じ、何かのヒントがあれば良いなと思って読み始めました。
ここで大事なのが
「起業をしたくて読んだのではなく、(ある意味での)起業が決まってから読んだ」
ということでした。
この本、帯やポップには「片手間で始めてじゅうぶんな収入を稼ぐ」と謳われているのですが、そのための方法が見つかると思って読み始めると肩透かしをくらうはずです。
どちらかというと、心に決めたものがある人の背中をそっと押したり、ヒントを与えてくれる本、私はそう感じました。
事実Amazonのレビューを見ても、高評価と低評価で真っ二つに分かれてしまっているのはそのせいではないかと感じます。
さて、クリス・ギレボーがなぜこの本を書いたのか、その理由こそ彼の掲げる「World Domination(世界征服)」に由来するものだと分かったのは、さらにその少し後でした。
「世界征服」については堀さんの解説を引用させていただきます。
クリスの独特な考え方とメッセージに、「世界征服」というものがあります。これまでも何回か紹介してきましたが、1. 組織などに依存することなく金銭的にも精神的にも自立する、2. それでいて、自分の活動が周囲の人、あるいは世界のどこかの人を助ける。この二つのアライメントがとれたとき、その人は自分の小さな世界を「征服」したと彼は呼ぶのです。
会社員である私は1を見て少し思考を停止させていた部分がありました。
「なんだよ、この人も会社員を否定するのか?」と。
(堀さんが彼のことを語る時点で分かっていろよ、ってツッコミはもちろんあります。)
しかし、それはまったく違うということが分かります。
再び堀さんの言葉を借りると
上の 1 はけっして「仕事をやめてフリーになるのが自由の条件」などと言ってるわけではありません。最近だと仕事をやめて「プロ」ブロガーになるのが自由の条件のように語られる向きもあるようですが、それはけっして必要条件でも十分条件でもありません。
むしろ、自分が自由で幸せであるか否かが外的なものに制約されている状態にメスを入れようということに近いでしょう。そのために手段と目的を取り違えてはいけないのです。
つまりどんな状態であれ、自分が自由と感じるか、幸せであるかを大切にしようということだと私は理解しました。
クリスの著書を読んだり、堀さんの言葉から分かるのは、クリス自身が決して「俺みたいになれるぜ!なろうぜ!」と主張していないところなんですね。
なぜそう感じたのかというと、上の2の内容にとても共感を覚えたからです。
つまり
「自分の活動が周囲の人、あるいは世界のどこかの人を助ける」
この部分です。
一人の強大な力や同じベクトルの力で一方向に世界を変えるのではなく、それぞれの持ち味を活かした少しの力が少しずつ世界を良くする感じ。
これこそ、私がラクガキを教える理念とぴったり一致していると感じたのです。
私がラクガキを教える理由は「絵を描く楽しさをもう一度思い出し、ラクガキの持つビジュアル化の技術を使って、色んな人が色んなおもしろいことを発想してほしい」というものです。
色んな人が色んなワクワクを思いつけば、きっと私自身もワクワクできるはず。
これってまさにクリスのいう「世界征服」と思いを同じくするものだと感じたのです。
そんな思いを伝えながら、スケッチブックを見せるとクリスはやさしく微笑んでいました。
あと「今日、色んなビジネスマンに会って彼らはみんなスーツにネクタイだった。でも、君みたいな水玉のシャツを着てビジネスしてる人間がいるっておもしろい」って笑ってました(笑)。
みたいもんのいしたにまさきさんが
もちろん、私にはまだ言語化できていなかったことが、すでに言語化されているというのは、とてもうれしいものです。
なぜなら、それは私にこれまでやってきたことがけっこう正解だぜ!と言ってくれて、勇気づけてくれるものだからです。
と書かれていました。
自分自身まだそのレベルまで到達しているわけではないですし、手探りなこともたくさんありますが、いくつか「ああ、これで良かったんだ」と思わせてくれる部分があって、そういう意味で「一万円起業」という本が面白いと感じたんですよね。
そんなクリスは今年3冊目の本が出る予定とのことですし
最後にクリスはまた日本にくるよ!次は同じ気持をもった人たちで集まって、なにか大きなことをしよう、と言ってくれました。
大きなこと、来年のはじめあたりを目指して計画開始ですよ!ご期待ください。
という話もあるようなので、何かの役割で是非参加したいと思ったのでした!
そこで、自分の持ち味である「ラクガキ」の魅力を活かせたりしたらどれだけうれしいだろうと思いながら!
さて、こんな私が「ラクガキで世界を変えたい」なんて言ったら、笑われちゃいますかね?
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