子供たちにノコギリとカナヅチを買ってやった日。あるいは成果よりもまず大切なことのお話。
子供って色んなものに影響をうけるのですが、最近テレビで見た番組の主人公が自宅の庭にはなれの自室を持っているのがうらやましかったようで「自分も秘密基地が欲しい!」と言い出し、果てには設計図まで描いていたのでした。
いやいやいやいや、いきなり小屋か!とつっこみたくもなるのですが、これは何かのいい機会かもしれないな、と思ったわけです。
ということで、我が家から一番近くて何かと役立つ安定のドン・キホーテへ
そして買ったのがこちら
・ノコギリ
・カナヅチ
・釘
という超基本の3点セットであります。
私自身がかつてサンタ(あれは一体誰だったんだろう…)からクリスマスプレゼントに木工の道具一式を贈られたことがあるのですが、それを使って色々切ったりつなげたりしたのがすごく楽しかったんですよね。
なんというか自分が体験したことを子供にも伝えたいと思うのが親ってものなのでしょうか。
木工のテクニックは父親の足元にも及ばないので本格的なのは実家でやらせようと思うのですが、この、やる気を感じた瞬間に、さわりくらいなら自分でも伝えられるな、と。
というわけで近所の設計事務所の前で持ち帰り自由になっている木端をもらってきて…
生まれて初めてノコギリで木材切断を。
今回出来上がったのは、ただの小さい木片ですが、はじめの一歩ってこんなものなのかな、と思うのです。
ここから大きな部材になったり、複雑な形を切りだしたり、釘を打ったり、組み合わせたり…
そうやって小さな積み重ねを経て秘密基地が作れるようになるわけです。
これって特別驚くほどでもない、当たり前のことですかね?
さて、そうやって少しずつ思い描いたゴールに辿り着くことが当たり前と思う一方で、世の中には
「このやり方であっという間に大金持ちに!」
「これに参加したらあなたも成功者!」
「これを読んだら○○万PV!」
みたいな、いきなりでっかくて都合のいい結果を求めるコピーが踊り、多くの大人がそこに魅かれてしまっているように感じるのです。
でも、やっぱり近道なんてないと思うんですよ。
それよりもやっぱり大事なのは、楽しいと思いながら小さな努力を積み重ね、時に失敗したりしながら自分なりに作り上げたり進んでいくことなのかな、と。
この考え方って私の開催しているラクガキ講座「ハッピーラクガキライフ」にも共通する考え方だったりして。
はじめてノコギリを使って作った小さい木片に喜ぶ子供たちを眺めながら、まだ少し肌寒い初夏の夕暮れに考えたのはそんなことでした。
この「ラクガキノート術」も根底に流れる思いは同じなんですよね。