子供たちとポップを描きながら気づいた「大人が絵を描かなくなる」理由
先日発売することができました書籍「ラクガキノート術」
発売から1ヶ月がたち、おかげさまでご好評をいただいているようで、書店によっては数冊を平積みで置いていただいているところもありました。
と、このように書店で置いていただいた際に横にあるメッセージカードを「ポップ」というのですが、じつはこれって出版社が用意することもあるものの、著者本人が用意して書店さんに「置いてもらえませんか?」とお願いすることもできるんです(もちろん、置く置かないはもちろん書店さんによります
私がいろんな書店をまわってその場でポップを描いたりできればいいのですが、どうしても時間的場所的な制限があると感じていたところ、出版社さん側からもっと置きたいです!との依頼をいただいたので家でポップを描くことに。
で、いつものようにリビングで作業していたら、これまたいつものように子供たちが「自分も描きたい!」と寄ってきたのでやらせてみたのでした。
父の描いたポップをお手本にする子たち
で、出来上がったのがこちらです。
まずこちらが1枚目、左が下の子(4)作で、右が上の子(6)作になります。
どちらもお手本をよーく観察して、自分なりに描いているのが分かります。
もちろん、完全にそっくりにかけていないのですが、なんとかがんばろうという気持ち(本の中ではこれも「絵心」と解釈しているのですが)を感じることができます。
さて、この二枚をよーく見ているとあることに気づきました。
「恐れ」が描かない部分を増やす
それは吹き出しの中のセリフ部分です。
この部分は漢字が使われているので、子供たちにとっては描くことが難しいだろうとは感じていました。
これに対し、下の子は自分の出来る範囲で漢字も含めたセリフ部分を描いていました。「心」という漢字が分解されて「じ」になっているところとかかなり微笑ましいですね。
一方、上の子はセリフ部分に漢字があることを難しいと判断したのか、ピンクのアンダーラインを描くのみになっていました。
ここに大人が絵を描かなくなる理由があると気づいたのです。
つまり、何か描こうとするものがある時に「そっくりそのまま描けない」という恐れが描かない(逃げ)の部分を作ってしまうんですね。
それが6歳程度の子供の中にもゆっくり芽生えていて、最初はこんなちょっとした部分から、そしてじわじわと全体を覆い尽くすと…
絵を描かない大人の出来上がりというわけです。
大人としてどう言ってあげられるか
こういった状況に対して大人ができることは言葉をかけてあげることなのかなと思うのです。
まず描けたものを
「これでいいよ」
と言ってあげること、そして次に描くとき具体的に
「ここをがんばってみよう」
と声かけしてあげることなのかな、と。
ということで、二枚目は難しいかもしれないけど吹き出しの中の漢字の部分もがんばってみよう!
と声をかけてできあがったのがこちらです。
写真は先ほどと左右が逆になってしまいましたが、上の子はかなりがんばって漢字の部分を描いたことが分かります。
そして下の子には「その調子でがんばろう!」と声がけしたところ自分なりのアレンジを繰り出してきたので、こちらも出来上がりで「自分なりによくしようとしたのがいいよ!!」と褒めてやったのでした。
こんな感じで、当人が思っている以上に恐れる必要がないこと、行動・表現したことそれ自体が素晴らしいと伝えること、次に向けての具体的な方向性を示すというのは子供に対してだけでなく大人にも同じことが言えるのか、と思うんですよね。
例えば仕事の現場で指導する立場の人なんかにも。
実際、私の場合は主催しているラクガキ講座が結構こういう感じだな、とあらためて思ったりしたのでした。
きっと、手が止まってしまうことの最初の原因なんていうのは、こんな小さなものかもしれないですね。
ハッピーラクガキライフ ファーストステップ講座(2015/05/17) #happyrakugaki – 人生を楽しくするラクガキ力講座http://eventon.jp/526/
というわけで、書籍「ラクガキノート術」も引き続きよろしくお願いいたします!
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