世界に2台しかないあのガジェットが東京モーターショー2013 NISSANブースにあった理由。【前編】〜NISSAN IDxとは何か〜
先日、東京モーターショー2013というイベントに行ってきました。
ただ、実の所を言うと私はそれほど車に興味があるわけではありません。
このブログを読んでいる皆さんであれば、先日エントリにしたコンパニオンさんにRICOH THETAを持たせるというミッションのために行ったのではないか?と思われるでしょうか。
確かにそれもあります。
しかし、今回はもう一つ行きたかった理由があったのです。
「Oculus Rift HD」を体験してみたい
それはNISSANブースでのコンセプトカー「IDx」のデモコンテンツに、まだ世界で発売もされていないVRヘッドセット「Oculus Rift」のHDバージョンが使用されており、これを体験することができたからなのです。
Oculus Riftって何?と言う方はこちらのエントリをご覧ください。
私がこのガジェットを知ったのは、上記のエントリで最近愛用しているRICOH THETAの写真をすごく面白く見ることができると知ったことがきっかけでした。
NISSAN IDxとは?
さて、順番が逆になってしまいましたがNISSAN IDxとは何か。
これは「若者のクルマ離れ」に対するNISSANの1つの回答のようなもの。
これらのクルマを開発するにあたり、今回導入した手法とは、彼らの欲するクルマを彼らと共に創り上げる革新的な商品開発方法である「コ・クリエーション(共同創造)」という考え方です。
自分たちの意見が反映される喜びや自分たちの欲しいモノが世に生まれる喜び。その実現に向けて、エキスパートと一緒にコ・クリエーションできる喜び。
つまり開発段階からコミュニケーションをとり、意見を取り込むことでモノ作りに対して実感や共感を持たせ、ターゲット層のニーズをつかもうというもの。
今回のデモの内容は3D空間内で様々な質問に答えることで、自分好みの車をデザインするプロセスを体験できるというものとなっており、NISSAN IDxのコンセプトである「コ・クリエーション」の考えを表現したものになっていました。
私は最初NIKE IDのようにパーソナライズを強く打ち出したものかと思っていたのですが、実際にはそうではなく、どちらかというと多くの人の意見を集合知的に取り込んで開発されるものだそうです。
実際のところ、このやり方が本当に若者のクルマ離れに対する有効な施策かどうかは全くの未知数です。
ただ、このコンテンツが圧倒的にとてもよくできていたことで、少なくとも私の心はワシヅカミされ「NISSAN IDx」という言葉が心に残ったことは確かなので、デモとしては成功だろうと思うのです。
VRヘッドセットで体験者を世界に没入させる仕組み、Oculus Rift HDの解像度を引き立てる質の高い3DCG、子供から老人まで誰でも自然に使えるUIと、東京モーターショー2013のデモの中で最も高く評価されていたと感じました。
ただ疑問だったのはなぜNISSANだけがOculus Rift HDを使えていたのか、どうやってこの質の高いデモコンテンツが生まれたのかということ。
きっかけは突然に。お話を伺いにAKQAを訪問する機会が
そんなことを思ったからかどうなのか、ひょんなきっかけからこのコンテンツの作成に携わった国際的広告代理店AKQAの渡辺’Nick’英輝さん(29man (ニクマン))、Darrell Nelsonさんにお会いし、再度デモを体験する機会をいただき、色んな話を伺ってきたのでした。
場所は昨年開設されたというAKQAの東京オフィス。
ここがまたものすごくカッコいい空間で、入った瞬間息を飲むほど…!
クリエイティブエージェンシーのAKQAが、世界で11番目となるオフィスを東京に開設する。
アジアのオフィスは2006年に開設された上海に続き2番目。開設時のクライアントはナイキと日産自動車。
ということで、次回はお2人のお話と、なぜOculus Rift HDがここにあったのか、「コ・クリエーション」について書きたいと思います。
いやあ、今回は一人のデザイナーとして、そしてブロガーとして心が躍りましたよ!
後編はこちら