これまでにないブランド体験を提供する「Promo-thon(プロモソン)」という概念の発明がいかにすごいか勝手に解説してみる
「ブランド」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
Apple、TOYOTA、LOUIS VUITTONなど企業名やロゴマークであったり、あるいはウォークマンのような商品名や商品そのものを思い浮かべた方もいるのではないでしょうか。
ここで「ブランド」という言葉の意味を調べてみるとこのように解説されています。
ブランドとは製品につける名前、ないしは名前がついた製品そのものをいう。転じて他と区別できる特徴を持ち価値の高い製品のことを指す場合がある。
引用元:ブランドとは – コトバンク
ここでいう「価値の高い」は決して値段の高さではなく機能や使い勝手、その際の満足度のことをさします。
「よいブランド」は消費者に良いイメージを抱かせ、その製品やサービスを選ぶ際の理由になったりします。(反対に選ばれない理由になる「わるいブランド」も存在する。)
さて、ブランドという言葉の説明は一旦おいて、2016年12月17日に「茶ッカソン 六本木・麻布」なるイベントが開催されることになり、私もファシリテーターとして関わることになりました。
茶ッカソンとは、おーいお茶で知られる伊藤園がお茶+ハッカソン(アイデアソン)という着想から生み出したイベントで、誕生の地であるサンフランシスコ・シリコンバレーで8回、シアトルで2回、ニューヨークで1回、日本でも東京で7回をはじめとして全国で開催されています。
このイベントの立ち上げに大きく関わり、そして今回私とともにファシリテーターを担当するのがニフティ株式会社のイベント&コミュニティオーガナイザー河原あずという男。
彼とは今年の10月にタッグを組んでおり、今回もおもしろいものが生み出されそうな予感がしています。
さて、ここであらためて「茶ッカソン 六本木・麻布」のページを見てみると、河原あずの肩書きに「Promo-thonスペシャリスト」とあります。
ここからようやく本題です(笑)
ブランド体験としての「Promo-thon」
2016年11月現在、「プロモソン」という言葉の検索結果にそれらしいものがないことから、この言葉は彼による造語だということが分かります。
語源については「プロモーション」と「アイデアソン(ハッカソン)」を組み合わせたもので間違いないでしょう。(ちなみにアイデアソンはアイデア+マラソンを語源としている。)
彼がプロデュースした伊藤園の「茶ッカソン」、三和酒造のいいちこをテーマとした「いいちこらぼ」がこのプロモソンの代表作です。
これまでも企業が主催したりスポンサードしたアイデアソンやハッカソンはたくさんありましたが、これを「プロモーション」であると定義づけその概念に名前をつけたことが最大の発明であると私は感じています。
アイデアソンとプロモソン
アイデアソンやハッカソンは一般的に参加者がグループに分かれアイデアを考えたりサービスを作ったりし、最終的にそれらの評価をするという構成になっています。
これらのイベントに対して「短い時間でのアウトプットなのでクオリティが高まらない」「出てきたアイデアの実現プロセスに弱さがある」という意見を言う方もおり、最終結果ではなくアイデア発想やプロトタイピングのプロセス体験を重要視するという向きもあります。(個人的には私も後者のスタンス)
一方の「プロモソン」も構成自体はアイデアソンやハッカソンとほぼ同じになっています。
唯一違うのは目的をプロモーションであると定義し、参加者がテーマや製品・サービスについて「思いをはせる」ように設計されているという点です。
ここが最も大事なポイントで、ポジティブな雰囲気の中、高い集中度でテーマとなるブランドのことを考えていると、そのブランドに対する興味関心の種が心に撒かれ、多くの場合そのブランドを好きになってしまうのです。(ちょうど、気とめていなかった異性が夢に出てきて意識してしまうように。
このような目的である場合、ただブランドや製品・サービスをテーマに使うだけでは望むような結果にはなりません。そのブランドの良さを理解した上で、どのようにイベントを構成すれば参加者がよいブランド体験をできるかを考える必要があり、河原あずが「Promo-thonスペシャリスト」と名乗る理由はここにあります。
とこんな風に私が熱く語ってしまうのは、私自身が茶ッカソンを経験してから「おーいお茶」をなんとなく選ぶようになり、これまで縁遠かった「いいちこ」を買って飲んだりするようになったという事実があるからなんですよね。
プレスイベント、ブロガーイベントとの一番の違い
同じような参加型イベントとして、プレスイベントやブロガーイベントがあり、私自身それらに何度も参加したことがあります。
多くの場合、これらのイベントは主催者側からの発表やトークショーを見る形式となり、そこから生まれる感想や記事は概ね同じ内容になることがほとんどです。
しかし、プロモソンではアイデアを考えることを通してそれぞれに思いをはせる時間があるため、インプット情報のベースは同じくしながらも参加者ごとに異なる体験となり、そこから生まれる感想や記事にも個人の感性が強く出るのです。
そして多くの場合、こういったものに強い共感が生まれます。
もちろんイベントとして考えたときに、かかる時間や労力は前者のそれをはるかに上回りますが、それだけの効果をプロモソンは生み出すのです。
興味を持たれた方は是非体験してみてください
かなり身内びいき的に「プロモソン」を褒める内容となってしまいましたが、もしなにか感じるものがあれば是非一度体験してみていただきたいなと考えています。
決して製品やサービスを売り込まれるというようなことはなく、純粋にイベントとして楽しい体験ができるはずです。
学生であれば普段会わない社会人との交流の場として、社会人は異業種との交流の場であったりアイデア発想のプロセスの体験に、ブロガーやプレス関係の人であれば普段のイベントとの違いを感じるのもよいでしょう。
また、広報やブランディング担当の方にとってはこれからの時代にお客さまとどういった関係性を築くかのヒントになるかもしれません。
あるいはこの解説を読んだ河原あずから「違うんだよ、タムラくーん」と突っ込まれる様子が見られるかもしれません(笑)
少なくとも、ラクガキコーチとして関わる私からはブランドについて考え表現する非言語的コミュニケーション手段としてのラクガキテクニックと、デザイナーとしてアイデア発想のプロセスをお伝えするつもりです。
今回のイベントは応募抽選制となるため、全ての希望者が参加できるわけではありませんがよろしければ是非。
いずれにせよ、この「プロモソン」という考え方がこれから絶対来るだろうと、私はそう感じているのです。
2017年2月5日追記
河原からのアンサー記事が公開されておりました。
だいたい合ってたようです(笑)