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世界に2台しかないあのガジェットが東京モーターショー2013 NISSANブースにあった理由。【後編】〜キーワードは「コ・クリエーション」〜


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さて、前回のエントリで「Oculus Rift HD」と「NISSAN」を繋いだのは「AKQA」というところまでたどり着きました。

今回はそこからどうやってあのデモができたのか、東京モーターショー2013を経た今後の展開、そして会話中何度も出てくる「コ・クリエーション」について、AKQAの渡辺’Nick’英輝さん(29man (ニクマン))、Darrell Nelsonさんにお話を伺ってきました。

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Oculs と AKQA

やはり私が気になったのが、どうして世界でここだけ最新バージョンの「Oculus Rift HD」を使えたのか、ということ。
その理由はOculusの設立時にさかのぼります。

もともとOculus社は米クラウドファウンディングサービス「Kickstarter」で出資者を募っていました。

元々Oculus Riftはゲームに特化したデバイスとして開発されたものでした。
しかし、この時点でAKQAはその可能性を見出し、大きなサポートをしてきたそうなのだとか。

これは買収や特別な契約では無く、まさに出資のようなものと渡辺氏は言います。

ですので、あくまで今回も何か特別な提携関係があったわけでなく、Oculus側がデモを作成するAKQAをサポートしたようなカタチであったそうです。

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「コ・クリエーション」で出来上がったデモ

「コ・クリエーション」というコンセプトは、IDxに対してNISSAN側から出てきたものだったそうです。ただ、このデモの制作がまさに「コ・クリエーション」であったと渡辺氏は続けます。

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それはAKQAの日本オフィス、ロンドンオフィスという二拠点が関わり、NISSAN、Oculus、キャラクターデザインを担当したLAのWest Studioといういくつもの会社が関わったことにからも分かります。。
モノ作りにいくつかの会社が関わることは決して珍しいことではありませんが、今回のデモはAKQAにとってもOculus、NISSANにとっても全て初めての試みだったということです。

特にOculusのゲーム以外への活用という意味では、かなりのチャレンジだったらしく、これもあって発売前の最新機種が特別に使用できたと聞くと思わず納得してしまったのでした。


東京モーターショーでの評判、今後のこと

今回のデモについては、本当に初めての内容であることに加え、あの大きな会場でたった2台しかないこと、体験時間も7分程度とかなり長めであることなど、不安がたくさんあったと語ったのは日産の担当でもあるNelson氏。

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モーターショー開催期間中は物陰からずっと見ていたそうです(笑)。。

ただ、初めてのデモ体験者がヘッドセットを外し、笑顔になっているのを見たときにとてもうれしかった、と。

その後も会場のあちこちで「NISSANのIDxがすごいらしい」という噂を耳にしたり、自分が担当したことを知らない友人から「もしアレを体験してないなら絶対行った方がいい!」と言われたりと、高い評価を感じたとのこと。

また、子供からお年寄りまであらゆる世代の方が同じように体験できていたことが本当によかったとおっしゃっていました。
私も体験して感じましたが、中のコンテンツやUIが「目で追う」ということを利用した非常に直感的なものになっていて、これは他にも色んな活用法がありそうだと思いました。

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さらに先の話になるとOculusの没入感を使って仮想のカーディーラーを作ってしまうことも可能かもしれない、など今回の成功も含め色々な展開がありそうだとのことでした。


こだわりと、その先と

さて、ここまで話を聞かせていただいて私の感じたことなどを。

まず1つ「NISSAN IDx」自体については、まだまだ問題点と可能性の両方がありそうだなということ。
というのも、やはりクルマから離れてしまった私自身がこのプロセスがあったからクルマを買うか?というとやはり違うかもしれない、と感じてしまったからです。

これはある意味でゲームへのこだわりから一歩先へ出ようとしているOculusと、クルマへのこだわりを大事にしているNISSANとの対比でもあります。
例えばこだわりを超えるためのきっかけとして「コ・クリエーション」が使えるかもしれませんし、その可能性はまだまだあると思うのです。

ただ、私のような人間がこんな風に思えるほど興味をひいたという時点で、NISSANがAKQAとともにこのデモを作った効果はあったと言えるでしょう。



もう1つは「共同」と「共感」についてです。
この2つ、実は似ているようで全く別の性質を持っています。

例えばモノ作りにおいて、多くの意見を聞き共同で進める方がいいのか、それとも少ない人間の意見ではあるが多くの人に共感されるもののほうがいいのか。

私がこのように感じるのは、とれるカメラバッグひらくPCバッグという2つのカバンを愛用しているからに他なりません。

なんと2色!

このバッグの場合、考案者のいしたにさん、SUPER CLASSICの南さん、縫製工場の方の「コ・クリエーション」ではありますが、我々の意見が入っているわけではありません。
これらが受け入れられているのは、プロセスの公開(しかもすでに完了している)であったり、用途に対する考え方が、ターゲットの共感を得ているからだと感じるのですよね。

こういう考え方からアプローチする方法もあるのかなー、とかとか。



などなど始まりはOculus Riftへの興味から、今回お話をさせていただいて、色々自分に置き換えて考えてみたりして、モノ作りに対する刺激をもらえたり、とてもいい機会になったなぁ、と感じました。

お忙しい中対応していただいた渡辺さん、Nelsonさん本当にありがとうございました。


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