「自分には絵心がない…」という方に私がいつもかける言葉
普段からラクガキ好きを公言しており、それが高じて「ハッピーラクガキライフ」なるラクガキ講座を開催するまでになってしまいました。
そうして意識しはじめると、想像以上に「自分には絵心がないので…」と言われる方が多いことに気づきます。
もしかすると、今この記事を読んでいるあなたも同じように思っていらっしゃるかもしれません。
そんな方に決まって私がかける言葉が「絵心は誰にでもあるんですよ!」という一言です。
むしろこの一言を伝えたいがために「ハッピーラクガキライフ」というイベントを開催していると過言ではありません。
「絵心」と「画力」は全く別のもの
「自分には絵心がない」と言われる方に対して私が感じるのは、「絵心がない」と「画力がない」を混同されているのではないかな、ということです。
でも「絵心」と「画力」って別物だと思うんですよね。
例えばこれはうちの子供が描いた絵ですが
この絵を見て「絵心がない」と感じる方はどれくらいいるでしょう?
むしろ「たのしそうに描いている」というと感じる方の方が多いのではないでしょうか。
こんなことをいうのはバカバカしいですが、デッサン的には全然正しくありません。
でも、この絵にこもった「絵心」を感じることはできると私は思うのです。
「絵心」ってなんだろう?
さて、辞書をひくと「絵心」は
・絵をかく心得や趣味。また、絵を理解する能力
・絵をかきたい気持ち
と解説されています。
私はここにもう一つ「絵から感じる心や感情」を加えて「絵心」だと考えています。
それは「この絵を描いた時、絶対楽しかっただろうなー」とか「よく分からないけど悲しい気持ちが伝わってくる…」みたいなものです。
この場合、上の絵からは「絵を描きたい気持ち」というよりは「楽しんで描いてる!」という絵心を感じる、という具合です。
では、「絵心がない」とおっしゃる方の絵からは何も感じないでしょうか?
そんなことはありません。
この場合、どちらかというとちょっと負の感情だったりするのですが
「どうせ下手だから…」「全然似てない…」「自信がない…」「まあ、こんなものでいいや…」
のような、無意識とはいえとても強い「絵心」を感じることができます。
そう、どんな形であれ描いた絵にはあなたの絵心がこもってくるのです。
では例えば、今度は意識して描いてみるとどうでしょう。
難しいモチーフを書く必要はないのです。点から点へ線を描くだけ。
そこに「楽しい」って心をこめたら、「哀しい」って心をこめたら。
これは実際に私がラクガキ講座で行っている課題なのですが、参加者の方がそれぞれに工夫して、一本の線で真剣に表現をされるのです。
それまで「自分には絵心が…」と言っていた方々が、お互いに描いた線を見合って「おもしろい!」と言う光景を何度も見せていただきました。
こんなちょっとしたことで「自分にも絵心があるんだ」って実感できるんですよね。
では「画力」はどうなの?
一方で「画力」を身に付けるにはやはり描くことが必要です。ペンを思った通りに動かすという身体的な面にしろ、正しいパースという知識的な面にしろ、です。
子供の頃、何度も練習してひらがなが書けるようになったように、何度も暗唱して九九が言えるようになったように、何度も描くことでゆっくりとでも必ず上達します。
しかしそんな「画力」よりも大事なのが、「楽しんで描く」ということだと私は考えています。
「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、「好き」で「楽しんで」描くことができたらしっかり上達します。
「でも、その楽しむっていうのをどうしたらいいのか…」となりますよね。
調べればいろんなテクニックや理論が見つかる時代ではありますが、やはり第一歩となる描くことの楽しさは、描くことで体験していただきたいんですよね。
それが「自分には絵心がなくて…」とおっしゃる方ならなおのことというわけです。
そこで「楽しんで描くこと」すなわち「ラクガキ」を伝えられたらな、と思って始めたのがハッピーラクガキライフというわけなのです。
なにはともあれ描いてみてください
もちろんハッピーラクガキライフは一つのきっかけにすぎません。
何より大事なのは「描けるようになりたいな」と思ったらまずは描いてみることです。
オススメはやはり自分の大好きなもの、例えばお気に入りの文房具、お気に入りのマグカップ、なんでも良いのでよく観察して「自分はこれが好きだ!」と思いながら描いてみることです。
そっくりでなくても、形が崩れてもいいんです。
好きなポイントを文字で書き込んだっていいんです。
大好きなものを描いたら、きっとそこには「大好きだ!」って絵心がこもるはずです。
最初はそんなところからはじめてみてはいかがでしょうか。
書籍「ラクガキノート術」はノートにラクガキを活かすという内容なのですが、それ以上に「絵心がない…」とおっしゃる方への心持ちの変え方から、ラクガキの魅力を説明した本になっております。
よろしければ是非ご覧ください。
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